10/29(土)に開催されたTPP学習会の発表資料を、関良基さんのご好意により公開します。
発表資料「TPPは社会的共通資本を破壊する」(公開版)
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(以下、学習会案内)
【10/29(土)15:00~】TPPの問題点を学習しよう会
「TPPって何か知ってますか?」
震災復興、原発問題の一方、日本がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加
するかどうかの議論が再開しています。特に財界や米国からの猛プッシュがある
ようです。TPPとは、簡単に言うと米国をはじめ環太平洋地域で自由貿易圏を作
ろうという構想です。よく話題になる農作物だけでなく、医療、金融、電気通信
などのサービス、投資など幅広い分野が対象になってます。
農作物の輸入自由化が進めば自給率の一層の低下ももたらしますし、
地域経済、雇用など、私達の生活や社会、もちろん環境にも大きな影響
が出るため参加の可否について政治、経済の分野では議論になっています
が、どうも私達一般市民の関心は高くありません。
そもそも、TPPとは何か、何が問題ががよく分かりません。
それなのに、野田政権は11月にもTPP参加の可否を決めようとしてます。
そこで水研では、講師をお招きし、TPPとその問題点について学習会を開催
します。
昼間の学習会だけでなく、夜は水研らしく講師と飲みながら議論を
深めていきます。
「TPPって何?日常生活に悪影響があるの?いまいちよく分からないなぁ」
という方、ぜひご参加ください。
日時:2011年10月29日(土) 14:30会場、15:00開始(17:00まで)
(学習会終了後、近所で懇親会開催。日本酒の美味しい店を予定)
場所:環境パートナーシップオフィス (EPO)ミーティングスペース
(東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山B2F)
http://www.geoc.jp/facilities/meeting
講師:関良基さん(拓殖大学政経学部准教授)
費用:500円(懇親会費用は別途精算)
学習会要旨(関さん作成):
学習会では、農業をはじめとする社会的共通資本が市場原理を通した分配に適
さない理由を考えていきたい。社会的共通資本とは宇沢弘文が概念化したもので
あるが、農産物を生産する農村の他に、自然環境、社会インフラ、医療制度、教
育制度、金融制度などが含まれ、これらはいずれもTPPによって脅かされること
が懸念されている部門ばかりである。TPPとは、市場原理になじまないとされて
きた社会的共通資本部門を全面的に私有化・商品化し、全面的に市場原理に委ね
ようとする試みであると言って過言ではないだろう。社会的共通資本が私的資本
に転換されていくと、需給ギャップ拡大という市場的不均衡ならびに貧困層の増
大という社会的不安定性が生み出される。私的資本部門からは関税を含む課税を
し、もって社会的共通資本の形成と維持管理を行って有効需要を喚起し、両部門
のバランスを保つことによって、はじめて市場的均衡と社会的安定性を取り戻す
ことが可能になる。