水研では、環境活動の層の厚みをもたらす為には、入り口の部分で参入してくる若手の数を増やす必要があるとの認識のもと、現役学生世代を対象として、環境活動運営のノウハウを伝授するリーダーシップ・トレーニング(リートレ)を、2014 年と2015 年に京都大学で実施してきました。このリートレでは、参加者に環境活動を運営するのに役立つノウハウを提供することを目的としていました。その活動の中で、具体的な手段もさることながら、環境問題に取り組む意欲を刺激することの重要性に私たちは気付きました。
そこで、E-MAPでは、参加者の「環境問題に取り組むためのマインドセット」を向上させることを目的とします。具体的には、第一線で環境問題の解決に取り組んできた人々を招聘して、若い世代に「環境問題に取り組むためのマインドセット」を感じ取ってもらうことを目的としています。
E-MAPとは、Environmental Mindset Archives Projectの頭文字をとったものです。
E-MAPは司会者がゲスト講師にインタビューを行い、その後、ゲスト講師と参加者が質疑応答を行うというものです。これは、00 年代にNHK 教育で良く放送されていた米国のトーク番組「アクターズ・スタジオ・インタビュー」や、同じく90 年代にNHK で放送されていた「トップランナー」などでお馴染みの手法です。「アクターズ・スタジオ・インタビュー」では、米国の俳優養成機関であるアクターズ・スタジオが著名な俳優を招聘して、まず副学長がインタビューを行い、最後に生徒と質疑応答を行うという構成を採っています。この番組の素晴らしい点は、学生たちが一流の俳優から、俳優になる心構えを学べる点です。E-MAPは、その環境版を創ろうという試みです。